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重度歯周病は何mmから?ブルーラジカルで5mm以下を目指す理由|大阪・村川歯科

2024年8月に発行された歯科専門誌『歯界展望』では、ブルーラジカルP-01の臨床応用や、歯周病治療における歯周ポケット改善の重要性が紹介されました。
ブルーラジカルP-01は、東北大学の菅野太郎教授らによるラジカル殺菌技術の研究をもとに開発された、新しい歯周病治療器です。
大阪市福島区の村川歯科では、2024年5月からブルーラジカルP-01による歯周病治療を開始し、重度歯周病に対する非外科的治療の選択肢として活用しています。
歯周病は、自覚症状が少ないまま進行し、歯を支える骨や歯周組織が失われていく病気です。
歯周ポケットの深さは、一般的に3mm以下が健康な歯ぐきでもみられる深さ、4〜5mmでは歯周病による炎症や組織破壊に注意が必要な深さ、6mm以上では進行した歯周病を疑う重要な目安となります。
国際的な歯周病分類では、重度歯周炎は主にステージⅢ・Ⅳに該当します。ただし、重症度は歯周ポケットの深さだけで決まるわけではありません。
歯を支える骨の吸収、歯の動揺、出血、歯の喪失、噛み合わせなどを総合的に評価することが重要です。
重度歯周病であっても、まず大切なのは歯周基本治療です。歯石やプラークの除去、セルフケアの改善などを行い、歯周組織の状態を再評価します。
そのうえで、深い歯周ポケットや炎症が残る場合には、従来の歯周外科治療に加え、ブルーラジカルによる非外科的治療を検討することができます。
ブルーラジカルP-01は、ステージⅢ・Ⅳの歯周炎を対象として承認された歯周病治療器です。
ブルーラジカルの特徴は、従来の機械的な歯石除去に加え、歯周ポケット内の細菌に対するラジカル殺菌作用を利用できることです。
歯周病に関わる細菌は、歯周ポケット内で「バイオフィルム」と呼ばれる細菌の集合体を形成しています。バイオフィルム内部の細菌は、周囲の保護物質などによって殺菌処置の効果が届きにくくなることがあります。
ブルーラジカルP-01は、405nmの青色レーザー光と3%過酸化水素を組み合わせ、殺菌作用を持つヒドロキシルラジカルを発生させます。同時に超音波振動による歯石などの機械的清掃も行います。
東北大学の研究グループによる基礎研究では、バイオフィルム内部の細菌に対しても強い殺菌作用が報告されています。ただし、実験室で確認された殺菌効果が、そのまま患者さんのお口の中での殺菌率を示すわけではありません。
2017年には、菅野太郎教授らによるラジカル殺菌技術のランダム化比較試験が、国際学術誌『Scientific Reports』に発表されました。
この研究では、治療前に6〜9mmあった歯周ポケットに対して、ラジカル殺菌技術と機械的な歯根面清掃を組み合わせた治療が行われました。
治療12週間後の平均歯周ポケット深さは、ラジカル殺菌技術併用群で4.63mm、従来の機械的清掃のみの群では5.03mm、機械的清掃と局所抗菌薬を組み合わせた群では5.17mmと報告されています。
この結果は、ラジカル殺菌技術を併用することで、歯周ポケットの改善が期待できることを示しています。ただし、研究対象における平均値であり、すべての患者さんに同じ改善が得られるわけではありません。また、長期的な抜歯回避効果まで証明したものではありません。
では、なぜ歯周ポケット5mm以下を目指すのでしょうか。
2008年にMatulieneらが発表した長期観察研究では、歯周病治療後に深い歯周ポケットが残っていることが、その後の歯の喪失リスクと関連することが報告されています。
歯周ポケット3mm以下を基準とした場合、5mmでは5.8、6mmでは9.3、7mm以上では37.9というオッズ比が示されています。
これは実際に歯を失う確率を表したものではありませんが、深い歯周ポケットが残っていることの長期的なリスクを示しています。
また、欧州歯周病学会(EFP)のガイドラインでは、治療目標として、5mm以上で出血を伴う歯周ポケットや、6mm以上の深い歯周ポケットが残らない状態を目指すことが示されています。
村川歯科では、ブルーラジカル治療によって、まず深い歯周ポケットを5mm以下に改善し、可能であれば4mm以下で出血のない、安定した歯周組織を目指しています。
ただし、歯周ポケットが5mm以下になれば、歯周病治療が完了するというわけではありません。
歯周ポケットの深さだけでなく、出血、歯の動揺、骨吸収などを総合的に評価することが重要です。また、歯周ポケットが浅くなったからといって、失われた歯槽骨がすべて再生したことを意味するものでもありません。
そして、ブルーラジカル治療後こそ、メンテナンスが大切です。
歯周病は、治療によって改善しても、再び炎症が起こる可能性があります。
例えば8mmあった歯周ポケットが4mmまで改善しても、その状態が永久に続くとは限りません。
当院では、ブルーラジカル施術後1か月に出血や腫れ、痛み、歯磨きのしやすさなどを確認し、3か月後には歯周ポケットの深さ、出血、歯の動揺などを再検査する「歯周組織安定度評価(再評価)」を行っています。
さらに、必要に応じて6か月後にも歯周組織の状態を確認し、その後も定期的なメンテナンスを継続します。
専門的なクリーニングだけでなく、患者さんご自身による毎日のセルフケアも非常に重要です。
ブルーラジカルは歯周病の改善を目指す治療。メンテナンスは、改善した状態を長く維持するための大切な治療です。
村川歯科では、ブルーラジカルP-01導入後も、開発者である菅野太郎教授との学術的な交流や臨床指導を通じて、治療技術と知識の向上に努めています。
しかし、当院が大切にしているのは、ブルーラジカルを施術することだけではありません。
患者さんがご自身の歯周病の状態を理解し、治療内容に納得し、セルフケアとメンテナンスに参加していただくことが重要だと考えています。
当院では、治療前の「カウンセリング・適応診断」で、歯周ポケット、出血、骨吸収、動揺などを確認し、ブルーラジカルの適応について慎重に判断しています。
ブルーラジカルは、すべての患者さんやすべての歯に行える治療ではありません。歯周組織の状態によっては、従来の歯周外科治療や抜歯などが必要になる場合もあります。
治療費は自由診療となり、カウンセリング・適応診断は33,000円(税込)、
麻酔を使用するブルーラジカル施術は1歯33,000円(税込)、ブロック施術は66,000円(税込)です。
施術後には一時的な痛み、出血、腫れ、知覚過敏などが生じる場合があり、炎症の改善に伴って歯肉退縮が目立つこともあります。また、既往歴や全身状態によって適応できない場合があります。
ブルーラジカルは失われた歯周組織の再生や、すべての歯の保存を保証する治療ではありません。
「治療して終わり」ではなく、「改善した歯周組織を長く守ること」。
村川歯科では、カウンセリング・適応診断から施術、治療後の再評価、継続的なメンテナンスまでを大切にし、患者さんの歯をできる限り長く守ることを目指しています。
大阪市福島区・野田阪神で重度歯周病やブルーラジカル治療をご検討の方は、まずはカウンセリング・適応診断で、現在の歯周組織の状態をご確認ください。
村川歯科
大阪市福島区海老江2-1-38 ウェルネス2階
06-6451-2770
ブルーラジカル専用電話:06-6451-2755
【参考文献】
Kanno T, et al. Scientific Reports. 2017;7:12247.
Matuliene G, et al. Journal of Clinical Periodontology. 2008;35:685–695.
Sanz M, et al. Journal of Clinical Periodontology. 2020;47(Suppl 22):4–60.
『歯界展望』2024年6月号・8月号 ブルーラジカルP-01の基礎研究・臨床応用に関する解説。

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