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ヒアリングフレイルとオーラルフレイル(口腔機能低下症) ― 会話と健康を守るために
はじめに
健康長寿を目指すうえで、食事や運動と同じくらい大切なのが「耳」と「口」の健康です。
近年注目されているのが、ヒアリングフレイル(聴力の虚弱)とオーラルフレイル(口腔機能低下症)です。
どちらも「気づかないうちに少しずつ進行し、会話やコミュニケーションを妨げる」という共通点があります。
このブログでは、ヒアリングフレイルとオーラルフレイルの特徴や影響、そして予防の大切さについて詳しく解説します。
ヒアリングフレイルとは?
ヒアリングフレイルとは、加齢に伴って聴力が低下し、人との会話が難しくなる状態を指します。特に高音域から聞き取りにくくなるため、雑音のある場所での会話や早口の言葉が聞きづらくなります。
ヒアリングフレイルのサイン
• 会話の聞き返しが増える
• テレビやラジオの音量が大きくなる
• 複数人での会話に入りにくい
• 会話の場に参加するのが億劫になる
影響
聞こえにくさを理由に人との交流を避けるようになると、孤独感が強まり、認知症のリスクが高まることがわかっています。
オーラルフレイル(口腔機能低下症)とは?
オーラルフレイルとは、かむ力・飲み込む力・舌や唇の動きなど、お口の機能が少しずつ衰える状態です。
初期には小さな変化から始まり、それを放置すると栄養状態の悪化や誤嚥性肺炎につながることがあります。
オーラルフレイルのサイン
• 硬いものが食べにくい
• むせやすくなった
• 滑舌が悪くなった
• 口臭が気になる
• 歯周病や歯の喪失がある
影響
かみにくさや口臭を理由に会話や外食を避けるようになると、人とのつながりが薄れ、社会参加の減少や全身のフレイル(虚弱)へ進行しやすくなります。
会話とコミュニケーションに共通するリスク
ヒアリングフレイルとオーラルフレイルは、一見すると「耳」と「口」で別の問題のように思えます。
しかし実際には、両者ともに会話やコミュニケーションの質を下げ、人との関わりを減らしてしまう点で共通しています。
• 聞こえにくさ → 聞き返すのが恥ずかしくて会話を避ける
• 口臭や歯周病 → 相手に不快感を与えるのが不安で会話を控える
このように、耳と口の両方が健康であることは「人とつながり続けるための基盤」といえるのです。
歯周病とオーラルフレイルの関係
オーラルフレイルを引き起こす大きな原因のひとつが歯周病です。
歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こし、歯の支えを弱めることでかむ力が低下します。さらに歯周病は口臭の原因となり、本人が気づかないうちに周囲に影響を与えることがあります。
また、歯周病菌は血流に乗って全身に広がる可能性があり、糖尿病や心疾患、さらには認知症とも関連があると報告されています。
つまり、オーラルフレイル対策は単なる「口の問題」ではなく、全身の健康維持に直結しているのです。
ヒアリングフレイルとオーラルフレイルの共通点
1. 初期は自覚しにくい
少しずつ進むため、気づいたときには進行していることが多い。
2. 生活の質を下げる
会話や食事の楽しみが減り、孤独や低栄養につながる。
3. 早期対応で改善が可能
専門的なサポートを受ければ進行を防ぎやすい。
予防と対策
ヒアリングフレイルへの対策
• 定期的な聴力検査
• 雑音の少ない場所での会話
• 補聴器の早期使用
オーラルフレイルへの対策
• 歯科での定期検診
• 歯周病菌を減らすための専門的クリーニング
• 舌や口の体操(パタカラ体操など)
• バランスの良い食事で栄養を確保
まとめ
村川歯科では、
ブルーラジカル殺菌治療だけでなく、オーラルフレイル(口腔機能低下症)やお子さまの口腔機能発達不全にも積極的に取り組んでおります。
さらに、日常的なむし歯治療や歯周病治療も行い、幅広い年代の方々のお口の健康をサポートしています。
ヒアリングフレイルとオーラルフレイルは、いずれも「加齢だから仕方ない」と思われがちですが、早めに気づき、対策をとることで進行を抑えることができます。
耳と口の健康は、会話を楽しみ、人とつながり、人生を豊かにする力そのものです。
「聞こえにくい」「かみにくい」「口臭が気になる」といった小さな変化を見逃さず、定期的に耳とお口のチェックを受けましょう。
― 耳と口を守ることは、心と体の健康を守ることにつながります。
村川歯科
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ブルーラジカル専用電話番号06-6451-2755